こんにちは。大関です。
健康体に生まれ、WORKOUTができるということはとても幸せなことです。
世の中には先天的に疾患を抱え、WORKOUTはおろか普通に生活するのも難しい子供がいます。
今回は先天性の病気を持ち、幼少期に苦労をしながらも現在はその病気と向き合いながら付き合っている子供を2人紹介します。
過去にも生まれつき足がないにも関わらず、現在はモデルとして活躍するカンヤ・セッサーさんの話を書いているのでぜひ読んでください。
腫瘍で手が巨大化し悪魔の手を持つ少年と呼ばれたカリーム君
出典:ビッグハンド化が止まらない少年の苦悩! SNSでイジメ乗り越え… 大きな手で掴んだ幸せ
カリーム君はインドの少年です。
彼は生まれながら手が普通の胎児と比べて2倍ありました。
そして成長とともに手も巨大化していき、現在は片手だけで25kg、中指の長さは33㎝もあるようです。
これだけ大きいとそれだけでも不便ですよね。
巨大化した手は思うように動いてはくれないということです。
なのでご飯を食べたり、服を着たり、靴ひもを結んだりする時も親に介護してもらわなければなりません。
そして生まれたときにお医者さんに「病気ではない」と言われたようです。
それを聞いた母親はカリーム君に「この手は治らないの?」と聞かれた時も病気ではないから治らないと伝えていました。
子供は純粋ですが残酷です。
そんなカリーム君を見て、普通と違う見た目なのでからかったり気味悪がったりします。
中には「悪魔の手を持っている」と言ってきた子もいたようです。
そんなことがあり、すっかり不登校になってしまったカリーム君ですが、理解者はいました。
カリーム君の叔父のアシフさんは落ち込んでいるカリーム君にInstagramを勧めます。
「Instagramに自分の姿を載せたら世界中から怖がられるか笑われる」とカリーム君は考えました。
しかし、叔父のアシフさんはカリーム君に理解者や応援してくれる人が現れることを信じていました。
アシフさんはカリーム君の撮影をする役を買って出て、カリーム君が兄弟たちと遊んだり、腕相撲をする姿をInstagramに公開します。
すると大きな反響がありました。
そして写真やショートムービーには温かいコメントが多く寄せられていました。
カリーム君のInstagramは海外でも取り上げられるようになります。
そこで初めてリンパ管腫か過誤腫という病気であることがわかりました。
病気であれば手術することができます。
なので、現在のカリーム君をInstagramで検索してみました。
すると、まだ手は大きいままです。
フォロワーは16万人を超えているので寄付を集えばすぐ手術はできるはずです。
しかし、プロフィール欄にはactor/Tik Tokker/Choreographyと書いてあります。
actorは俳優、Choreographyは振付師ですね。
今は大きな手も個性として表現者として生きているようです。
もともとは自身を苦しめた特徴と向き合い、それも自分として受け入れるということは本当に強い人しかできないと思います。
カリーム君は見事だと思います。
心臓が生まれつき体の外に飛び出した少女
2008年ロシアでヴィサービアちゃんという女の子が生まれました。
彼女はカントレル症候群という難病に罹っていると、お腹の中にいたときから判明していました。
カントレル症候群は100万人に数人ほどが発症する難病です。
これまでに世界でも100例ほどしか症例がありません。
この病気は横隔膜や腹壁、心膜、心臓、胸骨など体にとって重要な5つの器官に障害が起こります。
母親のダリさんはそれでも産む決心をしました。
そして心臓が飛び出している女の子のヴィサービアちゃんが生まれました。
ヴィサービアちゃんは本来あるべき胸骨と心膜が欠損していたため、心臓が肋骨の間からは飛び出していました。
つまり薄い皮膚の真下に脈打つ心臓が浮き出ているような感じです。
さらにヴィサービアちゃんは心臓に複数の穴が発見され、お医者さんからは長くは生きられないと言われてしまいます。
元々、カントレル症候群の子供のうち64%は生後数日で命を落としてしまいます。
そしてロシアにはカントレル症候群を治療できる病院はありませんでした。
さらに母親のダリさんは離婚し、ヴィサービアちゃんは父親もいなくなってしまいます。
困難の連続でしたが、ヴィサービアちゃんはお医者さんの予想を裏切り、すくすくと育っていきます。
しかし、少しの転倒でも命に係わる状態です。
母親のダリさんからしたら、手術をして一刻も早く元気になって欲しいと思います。
そのためにアメリカやイタリア、ドイツやイギリスの医療機関にカルテを送りヴィサービアちゃんを手術してくれる先生を探しました。
その甲斐もあってボストンにいるお医者さんがヴィサービアちゃんの手術をしてくれることになりました。
ダリさんとヴィサービアちゃんはアメリカに渡ります。
いざ、手術の前の検診でヴィサービアちゃんの肺動脈の血圧に問題が見つかります。
これでは手術に支障をきたすということで断念せざるをえませんでした。
カントレル症候群は上記のとおり、様々な器官に疾患が起こり、先天性奇形がある場合が多いため、その複雑さでお医者さんも手が出せないというケースがあります。
ヴィサービアちゃんの場合もそのケースに当てはまるのと、まだ幼かったため体が未熟で手術の負担に耐えられるかどうかを天秤にかけ、危険と判断されました。
しかし、幼いながらもヴィサービアちゃんの心臓は大きくなっており、肋骨の間に心臓を収めるのが難しくなっていました。
カントレル症候群はお医者さんも手が出せないケースがあると先ほど書きましたが、治療に成功している病院がなんと日本にあります。
その病院は静岡県立こども病院です。
この病院ではカントレル症候群と複数の心疾患を抱えたマレーシアのリー・ウェン・ウィーさんの手術に成功した実績があります。
リー・ウェン・ウィーさんのような症例を治した世界で初めての病院です。
リー・ウェン・ウィーさんはカントレル症候群に加え大動脈と肺動脈が両方とも右心室に直接つながっており、酸素不足に陥るという症状でした。
そんなリー・ウェン・ウィーさんの疾患を静岡県立こども病院では手術で完治させました。
14歳になるまで、リー・ウェン・ウィーさんは運動ができませんでしたが、「これからはみんなみたいに運動がしたい」というコメントを残しています。
ヴィサービアちゃんよりもリー・ウェン・ウィーさんの方が、もしかしたら難易度が高い手術だったかもしれませんよね。
そしてヴィサービアちゃんも日本で手術ができるようになりましたが、ヴィサービアちゃんは手術を拒否しました。
なんとヴィサービアちゃんは「心臓を今のままキープして自分の人生の中で奇跡の存在になりたいので手術をしたくない」と言ったようです。
ヴィサービアちゃんは普段、体調管理のために甘いものやソーダ類は口にせず、うつ伏せもできず、友達とのボール遊びもできません。
子供っぽいことは全部できない体ですが、子供の頃から人生を考え、【奇跡の存在】になるということに価値を感じたわけですね。
子供の頃は誘惑にすぐ負けてしまっていたのですごい考え方だなと思います。
今回は先天性の病を抱えながらその病気に向き合っている2人の子供を紹介しました。
そして2人とも手術を受ける機会があるのに手術を受けない、ということを自身で選択しています。
この強固なメンタルを参考にしながらこれからもWORKOUTを継続していきましょう。