こんにちは。大関です。
今回は日本にかつて存在した村を紹介します。
都市伝説では今は存在しない村の怖い話などよくありますよね。
有名な話では犬鳴村、杉沢村、巨頭オでしょうか。
どれも好きな話です。
ですが上記の3つは存在自体が確定されていない伝説上の村です。
有力な説はあるようですね。
今回はかつて実際に存在し、記録にも残っているのに現在は存在していない村をご紹介します。
多くは合併によって消滅している
現在は存在していない村の多くは合併によって消滅しています。
「日本 自治体数」などで検索してみると現在では1,718市町村、北方領土を加えると1,724市区町村と表示されます。
しかし明治時代には71,314市町村が存在していました。
桁が1つ違うくらい多くの市町村があったわけですが、それは現在の市町村よりももっと小ぶりな集落が日本全国に点在していたということです。
漫画の「キングダム」は中国の戦国時代を描き、戦国七雄という7つの国の栄枯盛衰を描いています。
しかし戦国時代の前の春秋時代には100以上の国が中国大陸にありました。
その国々が吸収合併を繰り返して大きな7つの国が残ったというわけです。
日本では内乱こそ起きてはいませんが昭和の大合併、平成の合併を経て現在の約1,700市町村に落ち着いています。
合併ではなく事件によって消えた村 谷中村
谷中村(やなかむら)は栃木県下都賀郡にかつて存在しました。
この谷中村は1906年に強制廃村になりました。
ちなみに谷中村は限界集落のように人が減っていった村ではありません。
この村は『足尾銅山鉱毒事件』の影響で廃村になっています。
日本史の教科書で見たことがあって記憶している人もいるかもしれませんね。
谷中村は栃木県の渡良瀬川、巴波川、思川という3本の川の合流地点の近くにあり、肥沃な土地で稲作や漁業が盛んでした。
しかし足尾銅山が渡良瀬川の上流に開かれ、そこから川に鉱毒が流されたことによって被害を受けます。
魚の大量死があったり木々や田園が枯れたりしたようです。
人体への影響は資料が残っておらずに不明ということですが、不調を訴える人は多かったと思います。
この汚染によって人が離れて廃村になったのかというとそうではなく、鉱毒反対運動が活発になり最後まで人が残り続けました。
しかし当時の政府は村人に圧力をかけて立ち退かせ、無人になった所を藤岡町に編入という形で現在は消滅しています。
今では遠い昔の話になり、教科書にわずかに残った話になってしまっていますが史跡も残っているようなので運動がてら散策してみてもいいかもしれませんね。
自然現象によって消滅した村 角海浜村
角海浜村(かくみはまむら)は新潟県西蒲原郡にかつてあった村です。
ここは谷中村のように強制的に廃村になったわけではなく、自然の力に対抗できずに消滅してしまいました。
江戸時代には250戸の家があり、とても賑わっていたようです。
しかしこの土地では波欠け(マクリダシ)という現象が数十年に一度の周期で起こっていました。
波欠け(マクリダシ)はこの地域特有の現象で海岸の土砂を根こそぎ奪っていってしまうというものです。
この現象によって家屋の倒壊や埋没が度々起こっていました。
こういった自然災害によって徐々に人が離れ、1969年には8戸しか残らなくなってしまいました。
そして月日が流れて残った住民も高齢化し、そこに東北電力巻原発の建設予定地になったことによって集団離村が起きて廃村になりました。
反対運動によってここに原発は作られませんでしたが、波欠け(マクリダシ)の影響で現在は砂浜しか残っていません。
都市伝説の村について
出典:最恐の心霊スポット「犬鳴トンネル」へ潜入…『犬鳴村』は実在した
上記で犬鳴村、杉沢村、巨頭オについて触れました。
この中では犬鳴村と杉沢村に関しては痕跡や有力な説、ベースとなった事件があります。
犬鳴村は九州の福岡県にあるとされます。
福岡県には犬鳴峠という場所があり、犬鳴トンネルという閉鎖されたトンネルが実際にあります。
犬鳴村はダムの底に沈んだ村という噂もありますが、有名なのは犬鳴トンネルの先にあるという説です。
進んで行くと「この先日本国憲法は通用せず」という看板があり、もっと進むと白いセダンや廃屋が放置され、村人に見つかると斧を持って追いかけてくるというものです。
こういった噂を最初に考えた人はどんな頭の中をしてるんでしょうね。
「この先日本国憲法は通用せず」という看板の言葉を選ぶセンスありすぎです。
直接的な言い方でもなく、遠まわしでもはっきり意味がわかって、しかも頭にくっきり残る言葉のチョイスだと思います。
そして白いセダンも村に似つかわしくないものですが、これも住民のものなのか訪れた人物が住民に追いかけられて残したものなのか想像を搔き立てられます。
続いては杉沢村について。
杉沢村伝説は映画「八つ墓村」のモチーフになった村と言われています。
「八つ墓村」の話自体は岡山県で起こった「津山事件」を元にして作家の横溝正史(よこみぞせいし)さんが書いたものです。
しかし杉沢村でも同じような事件があったとされ、混同されて都市伝説化しました。
現在では杉沢村は青森県にあったのではないかと言われています。
杉沢村には村に向かう途中に「ここから先に立ち入る者、命の保証はない」という看板があるという噂があります・
また村の入り口には朽ちた鳥居があり、その鳥居の根元にはドクロのような石があるとされています。
村に入ると廃墟があり血痕がついた建物があるということです。
この杉沢村を求めて一時期はテレビでも捜索されましたが結局見つからなかったとされています。
ただある関西ローカル番組で調べた時にほんの1時間ほどで鳥居を発見しました。
実はこの関西ローカルの番組が取材に行く少し前に大規模な伐採が行われており、鳥居が道路から丸見えになっていたようです。
こういった痕跡から杉沢村の実在は有力なものになったようです。
最後に巨頭オに関しては完全に創作だとする見方が強いです。
2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)が初出の話なので信憑性は低いですね。
ただ話としては面白いです。
昔訪れたある旅館に行こうと思い立った男性が車で山道を走っていたら「巨頭オ」と書いた看板を見つけます。
しかし記憶では「この先〇km」と書いてあったはずなのにおかしいなと感じますが、その瞬間藪の中から巨大な頭を持った人間が現れ追いかけてきたというものです。
「巨頭オ」の「オ」が「村」の字がかすれたものなのか?など考察を呼び、この話は2ちゃんねるの中でも人気になりました。
数年後、この話はTwitterで「巨頭オ」の看板の写真が投稿されたことで再燃します。
創作とされていた怪談が、実は実在していたのかもしれないということで一気に注目されました。
ただこの時の看板は投稿者が作ったものという結論に現在はなっているようです。
こういった都市伝説の村が実在していたらロマンです。
1つくらいは実在して欲しいなと思います。
そして都市伝説の村には恐ろしい言葉が書いてある看板が存在するという共通点がありますね。
村という閉鎖された空間で外界に対して恐ろしいメッセージを出しているという設定は恐怖心をあおるのかもしれません。
今回紹介した村は行きやすいものもあれば山深い場所にあるとされるものもあります。
登山はWORKOUTにはなりますが、訪れる際は安全第一で、近隣の方の迷惑になるような行為は慎むようにお願いします。