超有名な怪談で映画にもなった『コトリバコ』

嶋村吉洋さんが主催するワクセルの映画でも取り上げたいコトリバコ

こんにちは。大関です。

うだるような暑さが続いているので今回は2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)で有名になった名作怪談の『コトリバコ』を紹介します。

暑くてWORKOUTが進まない時の気分転換に読んでみてください。

洒落にならない怖い話のスレッドに書き込まれた『コトリバコ』

嶋村吉洋さんが主催するワクセルの映画でも取り上げたいコトリバコ


2005年に『コトリバコ』は書き込まれました。

書き込まれたスレッドは「洒落にならない怖い話」です。

このスレッドはスレッドタイトルの通り、洒落にならないほどの怖い話を書き込む場所です。

ただここに書き込まれる話は実話か、創作かは問いません。

2005年6月6日、小箱という人物が自身が体験したという話を書き始めます。

小箱という人物は霊感の強い友達の話を聞いて欲しいと言います。

そして自身には霊感もなく、スレッドを読んでいる人に判断して欲しいと言いました。

小箱氏は30歳手前ですが幼馴染と仲良く、神社の息子のM、Mの彼女のK、女友達のSと飲みにいく約束をし、その日は小箱氏の家に集合ということになっていました。

MとKは小箱氏の家に到着し、Sは遅れてきました。

Sが小箱氏の家の敷地に入った時にMは突然Mが「やべえ…やべえ…どうしよ…今日父ちゃん留守だよ」と動揺しだします。

Mは神社の息子で霊感が強く、Sが何か禍々しいものを持ってきているのを感じ取っていました。

Sが小箱氏達がいる部屋に入り、Mの異様な雰囲気に気づきながら小さな箱を取り出しました。

Sが言うにはSの家の納屋から出てきたと言います。

Mは「それ以上触るな」とSに言い、トイレに向かい嘔吐してしまいます。

そしてMは携帯で父親に電話をかけます。

小箱氏は電話の内容はわかりませんが「コトリバコ」「シッポウ」などの言葉を聞き、「ミスったら祓ってくれ」と父親に言うMの言葉も覚えています。

そしてMは決心し、Sのお祓いをそこですると言います。

Mは小箱氏に刃物を持ってくるように言い、小箱氏が包丁を渡すと、Mは自身の指先と手のひらを包丁で切りつけます。

Mは真っ赤な血が滴る手をSの口の中に入れ「Sちゃん飲み!まずくても飲み!」と言いお祓いの言葉を唱えます。

SはMの血が混じった嘔吐物を吐きます。

これでSを祓いました。

続いてSが持ってきた箱そのものを祓います。

Mは血が滴る手を箱に乗せ、お祓いの言葉を唱えますが途中で言葉を忘れてしまいます。

そこで小箱氏は、MからMの父親に電話するように頼まれます。

電話が繋がると受話器をMの耳にあて、Mは父親に言葉を教えてもらいながら箱のお祓いを完了させました。

お祓いが終わるとMは号泣し、小箱氏もKもSも号泣していました。

そしてSが持ってきた箱はMが「手と箱を結べるものはあるか?」と聞いてきたので薄手のバスタオルを渡し、縛って神社に持って帰ったそうです。

後日、小箱氏はSが持ってきた箱が気になっていたのでMに箱の事を聞きました。

すると、Sが元々住んでいた場所は部落であり、部落には呪物のようなものがあるということ。

そしてMの祖父が今まではこの地方に伝わる箱をお祓いしていたということを聞きます。

ちなみに小箱氏は自身が住む地方を「10月を神有月と言っている地域」とヒントを出し、島根県での話という事は開示しています。

『コトリバコ』専用スレッドでの後日談

嶋村吉洋さんが主催するワクセルの映画でも取り上げたいコトリバコ


洒落にならない怖い話での『コトリバコ』は反響が大きく、『コトリバコ』のみを扱った専用のスレッドが立ちました。

そこではお祓いがあった日のあとに何があったのかを小箱氏が語っています。

Sが持ってきた箱は『コトリバコ』と言い、漢字では『子取り箱』と書きます。

怖い話には馴染まない小鳥を想像する人が多いと思いますが、僕も最初はそう思いました。

『コトリバコ』はSの家の納屋にあったと言いましたが、建て替えだったのか納屋を解体しようとしていました。

すると隣家のおじいさんのJが納屋を壊すなと言ってきます。

隣家の事なので口出しするのもおかしい話です。

Sは小箱氏、M、Kに話をし、Jとの話し合いの場を作ります。

そこでSはJに対してあの箱のことを知っているか質問をしました。

するとJは慌てたように「箱はどうした、お前は大丈夫か」と聞いてきます。

経緯を話すとJは「自分の責任だ」と言って謝ります。

そしてMは「あれは本来ならJの家にあるものではないか?」とJに聞きます。

Mの家には管理簿があり、『コトリバコ』は本来ならばJの家にあるはずでした。

Jは事情を話し始めます。

Sの家に『コトリバコ』が来る前はT家が『コトリバコ』を管理しており、S、J、T家の3家で『コトリバコ』の管理をするはずでした。

しかしSの祖父が亡くなった時にSの父に『コトリバコ』の事を伝えることができずSの父は自身の家の納屋に『コトリバコ』が存在する事も知りませんでした。

本来ならJの家に『コトリバコ』は受け継がれるはずでしたがSの父は『コトリバコ』を持ってくるそぶりがなかったのでJはTと密談をし、Sの家に黙っておくことにしました。

Mによると『コトリバコ』は女子供にのみ災いをおこす呪いが詰まっている箱ということでした。

そして3家で箱を回していたのは中身の呪いの力を薄めるためだったようです。

そしてこの3家以外にも『コトリバコ』を持っている家があり、他の『コトリバコ』も3~4家で持ち回りをして中身を薄めていたようです。

そして薄まった箱はMの家の神社に持っていきMの家系では代々『コトリバコ』のお祓いを行っていたようです。

ただJという老人は『コトリバコ』の呪いは女子供にしか効果はないことはわかっていましたが怖くなってSの家には黙ってしまっていたようでした。

この箱は迫害を受けていたこの部落地域で権威者に復讐するために作られました。

合計16個の『コトリバコ』が作られ、迫害から自分たちを守るための兵器としていたようです。

しかしある日興味から子供が『コトリバコ』を手にしてしまい自分たちにも被害がおよんでしまいました。

それによって『コトリバコ』の恐ろしさを感じ、祓うために数家で持ち回りで呪いを薄めるという習わしができました。

そしてこのお話で出てきた『コトリバコ』はこの時点から19年後に呪いが完全に薄まって、Mの家で祓われる予定のものという事でした。

この話は2005年に投稿されたものなので19年後は2024年です。

もしもこの話が創作ではなく実話だとして来年『コトリバコ』から呪いの力がなくなり、Mの家で祓われていたらこういった名作は生まれていなかったということになります。

『コトリバコ』は近年映画にもなりました。

『コトリバコ』を意識した作品

嶋村吉洋さんが主催するワクセルの映画でも取り上げたいコトリバコ


2022年に「2月30日の緊急ニュース」という動画がYouTube上に投稿されました。

この動画は画像が荒く、「昔の映像かな?」と思わせるノイズが走っています。

そしてテレビなどでよく見る緊急速報が画面の上部に現れます。

そこには「開封が行われた」というニュースが流れます。

この開封の意味をニュースでは伝えず、開封現場では被害者が増え続け、火災が起きます。

しばらくすると緊急特番として開封現場が火の海のようになっている映像が流れ、「開封現場には近づかないでください」とアナウンサーが伝えます。

そしてノイズが走って場面が変わり、箱が映し出されます。

画面にはゆがんだ顔写真が次々と映し出され、「内容物 肝臓 不完全 5g」などと表示されます。

この箱は『コトリバコ』をモチーフにしており、内容物はスレッド内で語られた『コトリバコ』を作り方から着想しているようです。

現代でも『コトリバコ』は色々な作品に影響を与えていることがわかりますね。

長く愛される作品同様に長く愛される人になるためにもWORKOUTを継続していきましょう。