WORKOUTしていたら結末が変わっていたかもしれない話『きさらぎ駅』

ワクセル嶋村吉洋も映画で取り上げたいきさらぎ駅

こんにちは。大関です。

今回は2ちゃんねるでも1番といってもいいほど有名な話の『きさらぎ駅』をご紹介します。

きさらぎ駅は2004年にオカルト板の中の「身のまわりで変なことが起こったら実況するスレ」というスレッドに書かれました。

このスレッドには、例えば「一人暮らししている家の玄関の向こうから気配を感じますがドアを開けたら誰もいませんでした。」というようなことが書かれています。

身近な生活の中であった奇妙な内容が多いので、共感もしやすいし感情移入しやすいですね。

元々は周りに相談したくても相談できる人がいない時などに活用するために作られたスレッドのようです。

ただあくまで2ちゃんねるなので、書かれた相談が事実かと言われるとわかりません。

そして相談に乗っているスレ民も本気ではなく茶化している場合も多いです。

『きさらぎ駅』のはじまりから未完結まで

ワクセル嶋村吉洋も映画で取り上げたいきさらぎ駅


きさらぎ駅は「気のせいかも知れませんがよろしいですか?」という書き込みから始まります。

この書き込みをしたのは「はすみ」という人物です。

書き込んだのは2004年の1月8日の23時過ぎで、結構深夜です。

はすみさんは仕事帰りにいつも通勤で使っている私鉄に乗車していました。

普段なら5~7分刻みで駅に停車するのに、もう20分も止まらずに走り続けていると言います。

そして電車内には乗客が5人ほどいますが、全員寝ているということです。

奇妙さを感じたはすみさんは車掌に話しかけようと端っこの車両に移りますが、窓にはブラインドが降ろされ、ノックしても返事はありませんでした。

そうこうしているうちに新浜松駅と普段ないはずのトンネルを抜け、列車は止まります。

そこは『きさらぎ駅』というさびれた無人駅でした。

時刻表を確認しにはすみさんは駅に降りますが、時刻表を発見できず、列車は駅を出発してしまいました。

他に降りた乗客はいませんでした。

ちなみにきさらぎ駅には、駅名が書いてある案内板に前の駅名も次の駅名も書いてなかったようです。

取り残されたはすみさんは「駅を出てタクシーで帰る」と書き込みますが、数分後「タクシーどころか何もない駅でした」と報告します。

はすみさんは親に連絡してみますが、きさらぎ駅の場所がわからず「地図で調べてみる」と言われて途方に暮れます。

冬の無人駅に1人で帰り道がわからないとなったら途方に暮れますよね。

そして1人のスレ民が「線路に沿って歩いてみたらいいんじゃない?」ということを提案します。

電車で何十分も停車しないで到着した駅から歩いて隣の駅まで行くのは無謀です。

しかし冬の無人駅でそのままじっとしていても凍えてしまうので動く決断をしたのかもしれません。

ちなみに2004年なのでスマホもありません。

なので現代のような精密な地図もありません。

おそらく携帯電話で写真は撮れたと思いますが、それを2ちゃんねるにアップロードするのは一般的ではない時代だったのかもしれませんね。

調べてみたらドコモは「FOMA」というシステムを使用しているという時期です。

時代を感じますね。

はすみさんもiモードのタウン情報を見ようとしたけどエラーになると書き込んでいます。

携帯電話の黎明期だからこそ、こういった話はおもしろいのかもしれませんね。

そして駅を出て線路沿いを歩くはすみさんですが、何もない真っ暗な道で遠くから太鼓を叩く音と鈴の音が聞こえてきます。

さらに太鼓の音と鈴の音がだんだん近づいてきていることに気づいてはすみさんは恐くなってしまいました。

急いで歩いていると突然後ろから話しかけられます。

「おーい。危ないから線路の上を歩いちゃダメだよ。」

そう言われて振り向くと片足だけのおじいさんがおり、見ていると消えてしまったようです。

はすみさんは泣きながら歩きヒールも折れましたが、トンネルまでたどり着きます。

トンネルから出ると目の前に親切そうな人がいました。

話しかけてみると近くの駅まで車で送ってあげると言います。

その駅にはビジネスホテルもあるということで一緒に車に向かいますが、その親切そうな人は話しかけても何も答えなくなっており、ブツブツ独り言を言っています。

この時点で朝の3時過ぎであり、線路沿いトンネル近くに人が立っていたというのは怪しいですよね。

はすみさんはその親切そうな人について行きながらも警戒しています。

すぐ逃げる準備はしているとスレッドには報告し、携帯の残り電池も少ないからこれ以上は書き込まないと言って連絡はとれなくなります。

最後に警察に連絡するためのバッテリーを残したということだと思います。

そしてこの話はこれで終わりです。

翌日に何か事件が発覚したということもありません。

この話をリアルタイムで見ていた人はとてもドキドキしながらスレッドを追っていたのではないでしょうか。

この『きさらぎ駅』の話以降、たくさんの人がいろんな地域で異界駅に迷い込んだという話が書き込まれることとなります。

それだけ『きさらぎ駅』には人を引き込む魅力があります。

未完結で、オチもなく、「はすみさんはどうなったんだろ?」と考察できる余地を残してくれているのもおもしろいですね。

ちなみにスレッドの途中でスレ民がきさらぎ駅という名前で気がつく所があります。

それは『鬼』と書いてきさらぎと読めるということです。

こういった部分も予め設定として盛り込んでこの話を書き込んだとしたら、とても頭のいい人物が書いているということになりますね。

主人公が女性なのもよかったと思います。

これがWORKOUTを普段からしている男性ならすぐに線路沿いを歩き、山道もすぐに下山していたかもしれません。

きさらぎ駅に行ったことがある人が大量発生した日

ワクセル嶋村吉洋も映画で取り上げたいきさらぎ駅


きさらぎ駅の話が2ちゃんねるに書き込まれて以降、様々な異界駅に迷い込んだと証言する投稿があると先ほど書きました。

その中にはきさらぎ駅に迷い込んだと証言する人もいます。

2015年8月14日にTwitterでこんな投稿がされました。

「焼津海上花火大会の帰り。気付いたら寝ちゃってて慌てて降りたら駅名を書いた看板もない無人駅にきてしまったんやけどここはなに駅や。」

これだけだったらただのおっちょこちょいな人の普通のつぶやきですね。

そして駅名が書いてある看板を見つけますが、そこに『きさらぎ駅』と書いてあるとつぶやきます。

2015年の話なのでネットも身近になっています。

この投稿者はすぐにきさらぎ駅を調べますが、2ちゃんねるのまとめサイトばかり出てきて場所がわからないと言います。

投稿を見た人に写真を貼って欲しいと言われますが、2ちゃんねるでも嘘をついている人がよく言う「写真がアップロードできない」と言い出します。

そしてこの投稿をきっかけにしてたくさんの人が電車を乗り過ごし、降りたら真っ暗で駅名が『きさらぎ駅』と言い出します。

中には家で寝ていて気がついたら駅にいて真っ暗で、きさらぎ駅にいると証言する人まで現れます。

家から直接ワープするのは避けようがないですね。

このTwitterの盛り上がりを受けて2ちゃんねるでは「【速報】きさらぎ駅が帰宅ラッシュ」というスレッドまで立ったようです。

おもしろいと思ったら一気に参加してお祭りになるのはネットの楽しいところですね。

もしも、きさらぎ駅などの異界駅に紛れ込んでも生き残っていけるようにWORKOUTを継続して行きましょう。

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