こんにちは。大関です。
ダイエットがいつも続かず、いつの間にか筋トレもしなくなり、食事制限もしなくなってしまう人は多いと思います。
これは人間の脳が「変化したくない」という性質と「楽をしたい」という性質を持っているからです。
特に「楽をしたい」という性質は、本当はこうしたいという想っていても足を引っ張る感情です。
この感情とうまく付き合うにはどうしたらよいか?が書いてあるのが『勘違いが人を動かす』です。
オランダでベストセラーになった『勘違いが人を動かす』
この本はオランダでベストセラーになりました。
著者は行動経済学者の「エヴァ・ファン・デン・ブルック」さんと広告業界でクリエイティブ・ディレクターをしている「ティム・デン・ハイヤー」さんです。
行動経済学は経済学と心理学が融合した学問で、人の感情が経済にどんな影響があるかを学びます。
人は感情によってお金を出したり、出さなくなったりしますが、お金を出すという行動は普通はよく吟味されて行われます。
浪費家の人以外はお金を払う価値があるものにしかお金を出しません。
なので行動経済学によって導き出された答えを、お金を出すことよりもハードルが低いダイエットで活用すれば、自分で自分をうまく動かすこともできると思います。
例えば行動経済学はこういった時に活用されます。
男性なら想像がつきやすいと思いますが、トイレの便器に的のようなシールが貼ってあることがあります。
男性はついついこのシールを狙いたくなるものです。
このシールは冗談で貼ってあるわけでなく、「ここを狙って欲しい」という意図で貼られています。
このシールを狙うことで跳ね返りが少なくなり、掃除の費用が削減されたということです。
しかし「1歩前に出てください」と書いてあったり「トイレは綺麗に使いましょう」と書いてあったりしてもそこまでの効果は期待できません。
こういう何気ない部分に行動経済学が隠れています。
そしてちょっとした勘違いや認知バイアスによって、いつの間にか行動が選ばされているということは多いと思います。
そしてこの本はそういった勘違いや認知バイアスをうまく使って人生に役立てる方法が書いてあります。
次は『勘違いが人を動かす』の中からダイエットに使えそうな部分を紹介します。
ダイエットをしやすい場を作ることでダイエットをしやすくする
先ほども書いたように脳はより楽をしようとします。
ダイエットは選択の連続です。
「筋トレをするか?それとも今日は体調が優れないから明日改めて筋トレをしようか?」
「甘いものを控えるか?今日だけは頑張ったからご褒美に少しだけ食べようか?」
「飲み会で周りが飲んでいる。飲むべきか?我慢するか?」
生活の中でいくつも選択を迫られます。
その都度、脳は楽な選択を選ぼうとします。
逆に言うとダイエットを諦めることが手間になってしまえば、ダイエットをすることを選び続けるということです。
例えばアイスランドの研究者がポテトチップスの売上をあげるために行った実験のデータがあります。
スーパーなどには食品を陳列している棚がありますが、一番下の棚にあったポテトチップスを中段の棚に移動させた所、売上が2倍になりました。
これは棚の下段のポテトチップスをとるためにかがむことが手間なことが理由です。
こんな些細なことで結果が大きく変わります。
逆にいうと脳はこういった些細なサボりをたくさんしています。
これはまだ人間が狩猟をしていた頃に獲物がいない時期に動き回るとすぐにエネルギーを使い切ってしまうために体力を節約する習慣からきています。
なのでエレベーターやエスカレーターと階段ならほんの些細なことなのに階段を選ばず、少しでも体力を節約しようという選択をとってしまうわけですね。
この性質を逆手にとると、家などで手に取りやすい所にプロテインやささみ、野菜などを置き、カロリーの多い食事は少し手間な場所に置くということになります。
ただ食料を保管している冷蔵庫などは基本的に便利に作られ、使う頻度が少なく長期保管ができるものほどかがんだり高い場所に保管したりする構造になっています。
なので工夫をする必要がありますが、一度工夫してしまえばダイエットをしやすい場を作れてダイエットに対する難易度を下げることができます。
またジムに継続的に通うには、ジムの設備の良し悪しよりも自宅からいかにジムが近いか?の方が大事だと言われます。
ジムに行くだけで時間がかかったり不便な立地だったりするとそれだけで足が遠くなり、継続できなくなります。
なかなかダイエットの習慣が長続きしない方は、いかに手間をかけずにダイエットができるかを見直してみてはいかがでしょうか。
ダイエット習慣を身につけるには好きな行動をセットで行う
ダイエットに対して悪影響がある習慣を断つことができたら、同時に効果的な習慣も身につけましょう。
ダイエットもそうですが、モチベーションが下がっている時は自分にとって必要なことでも「嫌なこと」になってしまいます。
「嫌なこと」になると取り組む動機が起きずに先延ばしになり、習慣として定着せず、いつしかやらなくなってしまいます。
そんな時は好きなこともセットで行ってモチベーションを保ちましょう。
2013年にペンシルバニア大学が行った運動の習慣を持たない326人の学生に対してどうしたら運動の習慣が身につくか?という実験のデータがあります。
この実験は学生を3グループに分け、
①ジムに行った時だけ面白いオーディオブックが聞ける
②いつでも面白いオーディオブックが聞ける
③ジムに行ったら商品券をもらえる
という条件を課しました。
すると①のグループが一番運動の習慣が身に付きました。
②のグループと比べると29%もジムに通う率が高くなり、③のグループに比べると51%もジムに通う確率があがりました。
僕なら③のグループに入りたいと思いますし、③が一番頑張れそうですが実際は①のグループが効果があったわけです。
このグループを解説すると、②は自主性を大事にしたグループです。
なので単純にジムに行きたいと思った人は運動の習慣が継続しますし、モチベーションが下がれば行かなくなります。
実際の生活の中でもこういった状態の人は多いと思います。
③はご褒美が用意されているパターンです。
ダイエットとは逸れますが、仕事でもご褒美があれば部下のモチベーションが上がるだろうとなんとなく思っている人もいるかもしれません。
しかしただご褒美を提示しても結果に繋がらない時もあります。
ダイエットでもそれと同じ事が起きているということです。
ではなぜ①のグループはモチベーションを継続できたのかというと、ジムに行かないと面白いオーディオブックが聞けないという縛りがあるからです。
ジムに行けば面白いオーディオブックが聞けるというご褒美の要素もありますが、行かないと聞けないという我慢する要素もあります。
普段から自分へのご褒美として行っている好きなことを一旦やめて、ジムに行った時だけ行うようにすれば普段よりも継続することができると思います。
他にも様々なちょっとした勘違いを利用して習慣化できることや行動を変えるためのヒントが書かれています。
最初の一歩は一番エネルギーを使いますが、それも目標を低くすることでスムーズにスタートするコツも載っています。
これからも自分自身の行動を管理してWORKOUTを継続していきましょう。