
こんにちは。大関です。
「春眠暁を覚えず」という言葉があります。
春は暑くも寒くもなくて寝やすく、ついつい寝過ごしてしまいがちになります。
暁(明け方)をとうに過ぎて目覚める事からこの言葉ができたわけです。
ということで今回は落語の『夢金』という噺をご紹介します。
落語『夢金』について

物語はある船宿から始まります。
この船宿を切り盛りしている老夫婦が、2階で寝ている船頭の1人の寝言にうんざりしていました。
「100両ほしい~、100両ほしい~」
この寝言を聞いて老夫婦は「またか…」と話します。
この寝言の主は熊五郎という船頭から発せられていました。
熊五郎はとてもお金が好きで夢の中でもお金を欲しがっていました。
老夫婦はこんな寝言が聞こえたら金勘定をしていると泥棒に思われて家に入ってきてしまうと心配になり熊五郎を起こそうとしました。
その時、浪人風の男が雪が降りしきる道をかきわけ船宿を訪れます。
老夫婦はその身なりを見てぎょっとしますが、浪人風の男は船を借りたいと言います。
そして浪人の横には綺麗な娘がいました。
二人は兄妹だと言います。
ただ、あいにく手が空いている船頭は2階で寝ている熊五郎だけでした。
浪人風の男は2階で寝ている男でも構わないと言いましたが、老夫婦は「熊五郎は酒手(チップ)を要求するのでおすすめできない」と言います。
起きてきた熊五郎も雪が降っている中、船を出したくないので断ろうとしましたが浪人風の男は酒手は弾むと言って強引に船を借ります。
熊五郎はお金に目がくらんで大喜びで船を出しますが、しばらくしても浪人風の男は酒手を渡そうとしませんでした。
そして妹と言っていた娘が屋根船の中にあるこたつのそばでうつらうつらしている顔を浪人風の男はじっと見つめています。
船を操縦しながら熊五郎はこの二人が兄妹と言っていたのを疑っていました。
いかにも人相が悪く、良い身なりをしていない浪人風の男と身綺麗で品のある娘は釣り合っていませんでした。
熊五郎は兄妹ではなく駆け落ちだろうと考えます。
そして船を揺らして娘を起こせば浪人風の男に「船頭に酒手をあげなさいな」と言ってくれると思ってわざと船を揺らしました。
浪人風の男が急に船が揺れたので熊五郎に注意しますが、熊五郎は強気に「酒手がなければ船は揺れるんです」と返します。
浪人風の男は呆れ、熊五郎に少し休むように言います。
そして娘が寝入っているので熊五郎に密談を持ちかけます。
実は二人はやはり兄妹ではありませんでした。
娘は浪人風の男とは別の男と駆け落ちをしようとしましたが、その男に会えず困っている所に浪人風の男に助けられていました。
その娘は裕福な家に育ち懐に200両の大金を持っています。
それを聞いた男はお金を奪おうと考えますが街中では人目につくということで「男に会わせる」と嘘をついて船に乗せ、人がいない所を探していたわけです。
浪人風の男は熊五郎も抱き込めないかと考えて娘のことと自身がお金を奪おうとしていることを話しました。
そして娘を亡き者にしたら50両やろうと持ちかけます。
さすがにそんな話には乗りたくない熊五郎でしたが、ついついいつもの癖で「50両は少ない、100両でなければ割に合わない」と言います。
浪人風の男はしぶしぶ100両を渡すことを認め、どこかいい場所はないか熊五郎に尋ねます。
熊五郎はもう少しいくと中洲があることを伝え、そこなら人に目撃されないと言います。
中州に近づき浪人風の男はぴょんと中州に向かって飛んで船を降りました。
その瞬間に船を逆方向に漕ぎだして中州から離れ、熊五郎と娘は浪人風の男から逃げることができました。
船頭はいつも船を漕いでいるのでWORKOUTが自然とできています。
そのために逃げることができたというわけですね。
熊五郎は娘を家に届け、親御さんに事の顛末を話し、「駆け落ちのことも怒らないでください」と伝えます。
娘の親はとても感謝し「ぜひお礼をさせてください」と熊五郎に言います。
熊五郎は小包を渡され、それを開けて見るとなんと100両が入っていました。
「100両ー!!!」
「おい熊、うるせえぞ!」
という話です。
夢オチですね。
しかし熊五郎のように夢の中とはいえ、いざという時に勇気ある行動をとれるのは健全な肉体があり健全な精神が宿っているからです。
ということでWORKOUTを継続していきましょう。
